HISASHI(GLAY)が試す Positive Grid Spark 2最新の多機能型ギター・アンプ HISASHI(GLAY)が試す Positive Grid Spark 2最新の多機能型ギター・アンプ

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HISASHI(GLAY)が試す Positive Grid Spark 2
最新の多機能型ギター・アンプ

高品位なアンプ・シミュレーターとエフェクト・サウンド、そして豊富な練習用の機能が人気を集め、近年ユーザーが急拡大しているPositive GridのSparkシリーズ。超小型サイズの“Spark Go”やライブ向きの“Spark Live”など豊富なシリーズ・ラインナップも魅力的だが、本記事では家庭での練習に適した最新モデル=Spark 2にフォーカス。すでにSparkシリーズを愛用中だというHISASHI(GLAY)にその実力を試してもらった。

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取材・文:ギター・マガジン編集部 人物撮影:西槇太一
*本記事は、ギター・マガジン2025年6月号に掲載した「HISASHI(GLAY)が試す Positive Grid Spark 2」を転載したものです。

HISASHIとPositive Grid Spark 2
HISASHIとPositive Grid Spark 2

Positive Grid Spark 2

Positive Grid Spark 2

Sparkシリーズの最新モデル

 現在では数多くのモデルをラインナップするSparkシリーズだが、その始まりは2019年に発売されたSpark 40だった。そして、そのアップデート版と言えるモデルが昨年リリースされたSpark 2である。

 先代モデルからの進化点として、2基の4インチ・スピーカーの角度をわずかに左右に振ったことで、よりワイドなステレオ感を実現。また、コアとなるサウンド処理能力が従来比で2倍に向上したほか、モデリングのエンジンも新しくなり、よりリアルなサウンドとレスポンスを獲得した。

 電源はACアダプターのほか、別売の充電式バッテリー(Spark Battery)を使用すると最大12時間の動作が可能だ。

Positive Grid Spark 2のコントロール・パネル
パネルにはボリュームやEQのほか、エフェクトのツマミ、ルーパーへアクセスできるボタンなども備える。
Sparkアプリの画面
音作りや各種機能を操作するにはSparkアプリ(iOS/Android)をBluetoothで連携させる。画像はiPhoneでの画面の例。

Positive Grid
Spark 2

【価格】
49,500(税込)

【問い合わせ】
メディア・インテグレーション MI事業部 カスタマーケア TEL:03-3477-1493 https://www.minet.jp

HISASHI インタビュー

自分の高校生時代にあったらよかったのに(笑)。

今日はSpark 2を試してもらいたいのですが、HISASHIさんは普段から同じSparkシリーズの小型モデルであるSpark MINIを愛用しているそうですね。きっかけは?

 そうなんですよ。僕は常に新しい機材のニュースを取り入れるようにしているんですけど、その中でSpark MINIを知って気になっていて、去年の1月くらいに手に入れたんです。見た目は昔からよくあるミニ・アンプと同じような感じなのに、驚くくらいの進化を遂げていてびっくりしました。今はもうこういう時代なんだなって。買ってすぐに自分のYouTubeチャンネルとかで使うようになりましたね。

Positive Grid/Spark MINI Pearl
Spark MINI Pearl
36,300円(税込)

MINIについてはどんな点を気に入っていますか?

 一番驚いたのはこのサイズなのにスピーカーが2つ入っていてステレオで音が出せるということ。あと、低音の再生力も魅力的で、これは本当に素晴らしいなと思いました。スタック・アンプみたいな迫力のある音がこのサイズで出せますからね。本体のツマミが3つだけなのも操作しやすくていいと思います。それからモノ自体の作り込みもビンテージ・アンプみたいな雰囲気があって好きですよ。ノブの質感とか、グリルの感じとか。

Sparkシリーズはどれも専用アプリの“Spark(iOS/Android)”と連携して音作りなどが可能ですが、その辺りもすでにご存知ですよね?

 そうですね。僕は“Insane”というアンプ・シミュレーターの音が好きなんです。EVH 5150系ですよね。これをパッと鳴らしただけですぐに優れものだなってわかりました。ほかにもマーシャル系とかメサ・ブギー系とか、どのアンプ・シミュレーターもプリセットの名前や視覚ですぐにわかるので、ユーザー・インターフェースの面でも入りやすくていいと思います。自分の高校生時代にこういうのがあったらよかったのになと思いましたよ(笑)。ロマンがあります。

どのアンプも本格的ですよね。

 練習用かなと思ったら、どのサウンドも細かいディテールまで作り込まれていて完成度が高いです。エフェクターも色々な種類がありますからね。ただ、MINIに関してはやっぱりサイズが小さいので、出力がもう少しあればなと感じる場面も正直あったんですよ。

音に変なクセがないのもSparkの良さですね。

今回試してもらったSpark 2はまさに“もう少し出力があれば”という悩みを解決するモデルです。試奏してすぐに最大音量をチェックしていましたね。

 音量はこれなら大丈夫です(笑)。やっぱりギタリストってみんなできるだけ大きい音で弾きたいという願望があると思うんですよ。Spark 2なら自宅などで使う場合は余裕のボリュームがあると思いますね。

今回の取材ではせっかくなのでHISASHIさんにプリセットを作っていただきたいのですが、お願いできますか?

 やってみましょうか。じゃあまずはアンプからですね。さっきも話したとおり、普段は“Insane”を使っているんですけど別のアンプを試してみようかな……あ、この“Switch Axe”っていうアンプ、いい感じです。

Sparkアプリで音作り中のHISASHI。

ヒュース&ケトナーのSwitch Blade風のサウンドですね。

 アンプはこれにします。それで、僕はいつもノイズゲートはオフ(笑)。オーバードライブは普段ケンタウルスを使ってるので、ケンタウルス系の“Clone Drive”という歪みを入れたいと思います。(しばらく弾きながら微調整)……めちゃくちゃ良い音!

キメが細かい感じの良い歪みですね。

 あと、コーラスをめっちゃ薄くかけたいんですよ。これはレコーディングなどでもいつもやっている手法で、音の立体感や厚みを出すイメージですね。なので一番クセがなさそうな“Chorus”を少しだけかけます。そこにディレイ(Echo Tape)を足して……うん、こんな感じかな。これが僕好みのベーシックなバッキングの音ですね。良いじゃないですか! このままレコーディングできるかもしれない(笑)。

取材時にHISASHIが作成したプリセットの例

上の3枚の画像は、基本的なバッキング・サウンドとしてHISASHIが作ってくれたプリセットの画面。

アンプは“Switch Axe(❶)”で、各ツマミはGAINが5.9、BASSが4.7、MIDDLEが3.7、TREBLEが3.4、VOLUMEが6.8。

ここにケンタウルス系の“Clone Drive(❷)”を加え、薄くコーラス(❸)をかけるのがHISASHI流だ。

ありがとうございました! 改めて、Sparkアプリを使った音作りについてはどんな印象ですか?

 やっぱりアンプもエフェクトもひと目見てどういう機材をシミュレートした音なのかがすぐわかるようになっているので、ユーザーインターフェース的な取っ付きやすさが長所ですよね。例えばコーラスだったらエレクトロ・ハーモニックスっぽい見た目の物(Cloner Chorus)があったりとか、ダイナコンプっぽいコンプレッサー(Red Comp)があったりとか。それから、音に変なクセがないのもSparkの良さかなと思います。だからそれぞれの元ネタの音の“らしさ”がすごく出るんですよね。ほかのシミュレーターはもっとその機材のクセがあると思うんですよ。

なるほど。

 ただ、インターフェースのわかりやすさはいい所なんですけど、個人的にはもう少し複雑に音を作り込めるモードがあると嬉しいかなとも少し思いますね。だから今のわかりやすいアプリに加えて、コア・ユーザー向きのアプリがあると良いんじゃないかな(笑)。まあでも、レコーディングを考えると複雑にセッティングを追い込みたくなりますけど、自宅で練習する用途では今くらいシンプルな操作性のほうがいいでしょうね。

高級なアンプの音を気軽に体験できる。

今回は自分で音を作ってもらいましたが、Sparkアプリには“ToneCloud”という機能もあり、世界中のユーザーがアップロードしたサウンドを自由に試すこともできます。

 そうですよね。僕の場合はもう好きな音が決まっちゃっているので普段は試してないんですけど……(笑)。でも、“ジョン・フルシアンテの音”みたいなプリセットがあったら気にはなりますよね。

せっかくなので試してみましょう! 人気順で並んでいるようですが、一番人気はこの“Metallica”というサウンドのようです。

 ちょっと弾いてみましょうか……(「Master of Puppets」を弾く)……おお~、それっぽいですね。音良いなあ。

“Sweet Child Of Mine”というものもありますね。

 もう特定の曲限定だ(笑)。面白い! このプリセットをベースに自分の音を作ってもいいかもですね。

あとは練習に役立つ機能も多く、メトロノームやバッキング・トラックを流したり、自分の演奏に合わせてAIがドラムとベースのトラックを生成してくれる“Smart Jam”という機能まであります。

 これも面白いですね。コード進行も表示されたりするからギター・アプローチの練習になるし、やっぱりギタリストはドラマーのフレーズを思いつかなかったりもするので、作曲にも使えるかも。最近のAIは本当にミュージシャンがビビるくらいの進化を遂げてますよ(笑)。

バッキング・トラックを流すことができる“Quick Jam”の画面。

さて、今日は色々な機能を試してもらいましたが、改めてSpark 2の全体的な印象としてはどうでしょうか?

 まず、これだけユーザーのニーズに応えられる機能があるというのがすごいですよね。ユーザーに優しい、ユーザーに嬉しい製品だと思います。本体だけでは音作りとかがあまりできないですけど、今は誰でも必ずスマホを持っているのでそれも全然問題ないと思いますね。あと、色々なアンプやエフェクターのシミュレーターが入っていますけど、こういうモデルって実機を試すのがなかなか難しいじゃないですか。高級だったり、ビンテージで今はもうほとんど存在しなかったりするので。そういうモデルの音を気軽に体験できるっていうのがすごくいいなと思います。それで気に入ったら次は実機を試してみるというのもアリですからね。

確かに、音のキャラクターを知れますよね。

 しかも、僕もこれまで色々なシミュレーターを使ってきましたけど、昔は“もうちょっと音が良くならないかな……”ってものが多かったのに今は軽々とそういうレベルを超えちゃってますからね。それと僕はSparkの見た目も好きなんですよ。高級感があるし、しっかりしてますよね。

どんな人にオススメの製品だと思いますか?

 Spark 2は家での練習に使うのがいいと思いますけど、Sparkシリーズ全体で考えると色んな可能性があると思うんですよね。もっと高出力なモデルを使えばライブでも使えると思うし、今日はヘッドフォンのSpark NEOも少し試しましたけど、そういう使い方もできたり。ベーシストにもオススメですよ。以前、亀田誠治さんにも弾いてもらったことがあるんですけどめちゃめちゃ良い音してました(笑)。アプリを軸にして色々なモデルから出力できるのでどんなシーンでも使えて、可能性しかないモデルだと思います。

取材時にはヘッドフォン・タイプのSpark NEO(31,900円)も試してもらった。ワイヤレスだが、“レイテンシーはまったくないです”とHISASHI談。

HISASHI プロフィール

ひさし●1972年生まれ。国民的ロック・バンドであるGLAYのギタリスト。アンプ・シミュレーターなどデジタル系機材に精通する。愛用ギターはZEMAITISのメタル・フロント・モデル。

Positive Grid/Spark2