RIRIKOがNELKEのワンマン・ライブ『Fullfocus』＠恵比寿LIQUIDROOM公演で使用したエレキ＆アコギ

5ピース・ロック・バンド、NELKE（ネルケ）のワンマン・ライブが2025年3月12日に恵比寿LIQUIDROOMにて開催された。本公演でギター・ボーカルのRIRIKOが使用したエレキ＆アコギを紹介しよう。

取材：文＝小林弘昂　機材解説＝編集部　機材写真＝星野俊　ライブ写真＝橘麻子

RIRIKO’s Guitars

2013 HISTORY
SH-TC/R

豊かなボトムでアンサンブルを支えるメイン器

RIRIKOのメイン・ギターは、2014年に入手したというHISTORYのSH-TC/R。ネック・ジョイント部のヒール・カットや、エルボーのコンター加工など、モダンな仕様が盛り込まれたTLタイプ。2025年現在、ライブとレコーディングで活躍する1本だ。

ボディは2ピース・アルダーで、Uシェイプのネックにはハード・メイプルを使用。SH-TC/Rの指板にはローズウッドとメイプルのラインナップがあるが、本器はローズウッド・モデル。

RIRIKOはおもにミックス・ポジションを使用しているが、楽曲によってフロント・ポジションをセレクトすることも。本人曰く“見た目とクリーンでも軽くない音が好き”とのこと。

チューニングは半音下げで、使用弦はD’AddarioのEXL116 Medium Top/Heavy Bottom （.011〜.052）と、やや太めのゲージをチョイス。

2007 Fender
Stratocaster

かつてメインを務めた2007年製のサブ器

NELKEの前進であったRIRIKO BANDの4人編成時代、メイン・ギターとして使用してたメキシコ製ストラトキャスター。RIRIKOが14歳の頃に購入した1本だという。現在のNELKEのライブではサブとしてスタンバイされている。

チューニングはほかのギターと同様に半音下げで、弦はD’AddarioのNYXL1046 Nickel Wound Regular Light（.010〜.046）。

トレモロ・スプリングは5本がけで、フローティングはさせていない。

RIRIKO曰く“買った当初は音が細くて迫力に欠けていたんですけど、ある時からギターそのものの生音が聴こえるようになって、音が大きくなってくれた印象です”とのこと。

RIRIKOのシンガーソングライター時代のレコーディングでは本器を使用した楽曲も多く、おもに「生徒A」、「Hibi」などで活躍した。

2021 Taylor
110ce

シンガーソングライター時代の楽曲を中心に活躍

RIRIKOがメインで使用するアコギは、2021年製のTaylor 110ce。2024年にリサイクルショップで購入したものだ。ボディ・トップは単板のスプルース、サイドとバックには独自のレイヤード・ウッド構造を採用。ピックアップ・システムはTaylorのExpression System 2を搭載している。

NELKEのライブでは、3月の恵比寿LIQUIDROOMのワンマン公演で初登場。「時の砂」、「その未来へ」で使用された。

RIRIKO曰く“しっかり低音が出てくれる印象ですね。DIを通してもアコギっぽい音が出てくれます”とのこと。NELKEの音源では「燻る」などで本器のサウンドが聴ける。

弦はD’AddarioのEJ16 Phosphor Bronze Wound Light（.012〜.053）を使用し、本器のチューニングも半音下げにセット。

Interview

クリーンのアルペジオでも、
ちょっと歪んだクランチで弾きたいんですよね。

RIRIKOさんのメイン・ギターはHISTORYのTLタイプですね。いつ頃手に入れんですか？

高校3年生の時、卒業祝いで買ってもらいました。中学生の時からフェンダーのメキシコ製ストラトを持っていたんですけど、このTLタイプはストラトよりも音が好きで、見た目も好きだったんです。サンバーストもかっこいいですよね。

パーツ類は買った当時のままですか？

フレットとかは調整していただいていますけど、何もいじってないと思います。このTLタイプを使い出したのは2023年、RIRIKO BAND（※NELKEの前身）を始めた時なんです。1人でやっていた時はずっとストラトを使っていたんですけど、（伊藤）雅景さんがストラトなので、別のギターのほうが良いかなと思って、久しぶりにこのTLタイプを引っ張り出しました。

ピックアップはどのポジションを使うことが多いですか？

クリーンの音色も気持ちよく出てくれるミックス・ポジションにしています。リアだと“ちょっと痛いな”という印象ですね。

ボリュームやトーンはいじりますか？

基本的にはどっちもMAXなんですけど、クリーンを作る時はボリュームをちょっと絞っています。クリーンのアルペジオでも、ちょっと歪んだクランチで弾きたいんですよね。

このギターのサウンドの印象は？

最近アンプを色々と試すようになったんですけど、アンプによって音がかなり変わるので、“どれが本当の音なんだろう……？”って思っている時期です（笑）。でも、ずっとストラトを使っていたので、こっちのほうが中音域が出てくれて、バッキングが映える印象はありますね。ジャカジャカ弾いた時に気持ちいい音だなって。

重量はどうですか？

重いです。久しぶりにストラトを持った時に“めっちゃ軽い！”って思いました。

弦はどのメーカーのものを？

D’Addarioの.010〜.046（EPS510）です。

カポをよく使うんですか？

1〜3フレットでよく使います。ギターは基本的に半音下げチューニングにしていますね。レギュラーでオープンのGコードとかを弾くと“素直すぎ！”と思っちゃうので。半音下げにすると少し闇が入るような感じがするので、曲作りも半音下げでやっています。

このギターの気に入っているところは？

見た目がかっこよくて、テンション上がります（笑）。あとは曲を作る時もほとんどロー・コードしか使わないので、弾いた時に全部の弦が鳴ってくれている感じが好きです。高校生の時にそれが印象的だったのを覚えていますね。

サブのストラトの詳細を教えて下さい。

中学1年生の時に手に入れました。当時YUIさんが好きで、YUIさんがサンバーストのストラトを持ってアルバム・ジャケットとかに写っていたんですよ。“エレキ買うならこれだ！”と思って、似ている見た目で、親が買ってくれる金額のものを選びました。

Taylorのアコギは？

しっかり低音が出てくれる印象ですね。DIを通してもアコギっぽい音が出てくれていて、ワンマン・ライブでもアコギのサウンドの評判が良かったです。

アコギの弦は何を使っているんですか？

D’AddarioのEJ16 Phosphor Bronze Wound Light（.012〜.053）という弦を張っています。

RIRIKOさんの好きなギタリストは？

私のギターの先生、山本サトシさんです。氷川きよしさんのバックで弾いている方ですね。小学生からギター始めたんですけど、その頃に山本さんから習っていました。恩師ですね。今はレッスンに行けていないんですけど、凄く応援してくれていて、毎年、寒中見舞いや暑中見舞いをいただいています（笑）。めっちゃ良い人で、怒ったところを見たことがない。だから今も音楽を続けられています。辞めないでいられているのは、この方のおかげですね。ブルース系が得意で、エレキの基礎練ではブルースのフレーズを教えていただきました。